海外旅行では、スマートフォンが地図、翻訳、連絡手段、支払いなど多くの場面で欠かせない存在です。
しかし、使い方を間違えるとセキュリティリスクや通信トラブルに直結し、ときに金銭的被害を受けることもあります。
ここでは、近年海外旅行中に特に注意すべきポイントを3つ紹介します。
海外旅行中、スマホで絶対気をつけるべき注意点

海外旅行では、スマートフォンが地図、翻訳、連絡手段、支払いなど多くの場面で欠かせない存在です。
しかし、使い方を間違えるとセキュリティリスクや通信トラブルに直結し、ときに金銭的被害を受けることもあります。
ここでは、旅行中に特に注意すべき3つのポイントを紹介します。
どれも普段当たり前のように行う作業ですが、実は知らぬ間に危険にさらされているかも知れないというのが、とても怖いことです。
注意点1: フリーWi-Fi・VPN

海外では、空港やカフェ、ホテルなどで無料のWi-Fiが多く利用できますが、その中には安全性が低いものもあります。
セキュリティの甘いネットワークに接続すると、個人情報やパスワードが盗まれる危険性があります。
旅行先で便利だからといって不用意にWi-Fiを使うのは危険です。
また、海外で無料VPNに接続したことで被害にあった事例も、いくつか報告されています。
主な被害例と手口は以下の通りです。
- オーストラリアの空港や国内線の機内で、偽の無料Wi-Fiアクセスポイントが設置され、ユーザーが誤って接続してしまい、メールアドレスやSNSのログイン情報、銀行の詳細情報まで盗まれる事件が起きました。
犯人は逮捕されましたが、多数の利用者が被害に遭いました。
- 海外のホテルにて、ホテル公式のWi-Fiだと思い接続したところ、それはなりすましWi-Fiで、大量の迷惑メールを受信する被害や、個人情報、アカウント情報が盗まれるなどの被害が報告されています。
- 旅行先のカフェでフリーWi-Fiに接続した結果、PayPalなどオンライン決済のIDとパスワードが流出し、不正利用される事件も報告されています。
こうしたなりすましWi-Fiの設置者が、通信内容やログイン情報、クレジットカード情報を盗み、その情報を転売したり、不正利用したりするケースが後を絶ちません。
調査によると、海外旅行中にフリーWi-Fiを使った旅行者の4人に1人がハッキング被害に遭っているという統計もあります。
- 2024年の事件では、約800の無料VPNサービスに深刻なセキュリティ欠陥がありました。
利用者のデバイスが知らないうちにボットネットに組み込まれ、サイバー攻撃や詐欺行為に加担する被害が発生しました。
結果として、数十億ドル規模の損失が確認されています。
- Google Playで配信されていた無料VPNアプリの中にはマルウェアを含み、約150万人のユーザーが感染し、個人情報の盗難や端末乗っ取りの被害がありました。
- 無料VPNはユーザーの通信内容を監視し、ログを第三者に販売するケースが多数報告されています。通信の暗号化が不十分で通信内容が漏洩したり、個人情報が収集されて悪用されるリスクが高いです。
- 一部の無料VPNサービスでは、マルウェア感染や広告表示、スパイウェアの潜伏、ランサムウェア感染の恐れも報告されています。
- 海外旅行中に無料VPNを使うと、法的リスクも生じます。
VPN使用が禁止されている国では処罰されるケースがあり、また通信内容を政府に監視されることもあります。
本来VPNとはセキュリティ強化のためや、情報漏洩防止のために使うものですが、無料VPNは「無料」という利点の裏に、情報漏洩、マルウェア感染、通信監視、法的トラブルといった大きなリスクが潜んでいます。
特に海外旅行時はセキュリティ意識が高まるため、信頼できる有料VPNサービスを利用し、無料VPNは避けたほうが安全です。
安全なWi-Fi接続の選び方
- パスワードが設定されていないWi-Fiには接続しない
- 「Free Wi-Fi」「Public Wi-Fi」などの不特定多数が使えるネットワークは避ける
- 信頼できる有料のVPN(仮想プライベートネットワーク)アプリを使用する
- 銀行アプリやネットショッピングなど、個人情報や決済を扱う操作はモバイルデータ通信で行う
被害内容の具体例
- 個人情報(ID・パスワード・クレジットカード・口座情報)の漏洩
- SNSやショッピングサイトのアカウント乗っ取り・不正利用
- デバイスに保存された画像や動画の流出
- 迷惑メールやネット詐欺への巻き込まれ
- 端末へのウイルス感染・遠隔操作
海外でフリーWi-Fi・無料VPNに接続する際は、必ず信頼できるネットワークのみを選び、可能な範囲で信頼できる有料VPNを使うなど、自分の情報を守る対策をすることが不可欠です。
注意点2: 充電機器

海外のホテルで備え付けの充電器やUSBポートを利用したことで、情報を抜き取られた実際の被害事例はいくつか報告されています。
たとえば「ジュースジャッキング」と呼ばれる手法では、ホテルの公共充電ポートや無線充電器に細工が施され、接続したスマホやタブレットから個人データやファイルが盗まれるケースが確認されています。
具体的なホテルでの事例
- 2025年、アジアのホテルチェーンで、公共充電ポートを利用した宿泊者のスマートフォンにマルウェアがインストールされる事件が発生しました。
被害者のデバイス内の写真や文書などがホテルのUSB経由で流出することが報告されています。
- 欧州やアジアのホテルでも、宿泊者が部屋備え付けのUSBポートを利用した際にデータ転送モードが勝手に有効化され、スマホの連絡先や画像、文書ファイルが抜き出される「チョイスジャッキング(choicejacking)」という攻撃手法の被害が報告されています。
- アメリカや中国出張中のビジネスパーソンの事例として、ホテルに滞在中、部屋のUSBポート経由でPCやスマートフォンがマルウェア感染し、ID・パスワードなどの情報が盗まれるケースも確認されています。
典型的な被害内容
- スマートフォンやPCに保存されている写真・連絡先・文書ファイルの流出
- パスワードやクレジットカード情報・個人情報の盗難
- マルウェアインストールによる端末の遠隔操作や監視
- SNSアカウントの乗っ取りやオンライン決済被害
特に最新の充電器やUSBポートは、マルウェア感染だけでなくBluetooth経由やキーボードエミュレートによるセキュリティプロンプトの突破も確認されています。
海外ホテルで充電するときは、必ず自分自身の充電器・ケーブルを使い電源コンセントからの充電を徹底しまらの充電を徹底しましょう。
充電器やパワーバンクを忘れずに持参
海外旅行中、スマホが充電切れになるのは大きなストレスのもとです。
特に地図アプリや電子チケットを利用する場合、電源がないと行動に支障をきたします。
持ち物リストに必ず以下を加えましょう。
- 現地の電源プラグに対応した変換アダプター
- 高速充電対応の充電ケーブル
- 飛行機でも使える容量(100Wh以下)のモバイルバッテリー(パワーバンク)
また、宿泊先で充電スペースが少ない場合に備え、マルチポートの充電器を用意すると便利です。
すべてのデバイスをまとめて充電できるため、ホテル滞在中も安心して過ごせます。
注意点3: 公式アプリストア以外からのアプリインストール

スマホアプリに許可なく個人情報を抜き取る不正アプリの配信や、不正アクセスによるアプリの個人情報流出も報告されており、電話帳などの連絡先情報や写真が盗まれる例があります。
旅行を楽しむためには、スマホを「安全かつ効率的に」使うことが何より大切です。
出発前にしっかり準備して、海外でも快適にスマートな旅を楽しみましょう。


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