海外旅行中にスマートフォンを紛失したり盗難に遭ったりするリスクは非常に高く、旅行の快適さや安全に大きな影響を及ぼします。
そんな不安を少しでも減らすために、事前の準備と対策は欠かせません。
本記事では、海外旅行でのスマホ紛失リスクや盗難されやすい地域、紛失時の緊急対応方法から、旅行前に必ず設定すべきスマホのセキュリティ項目、そして万が一の時に役立つ保険やアプリの活用法まで幅広く解説します。
海外旅行をより安心して楽しむための知識と実践的なアドバイスをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

- 通信会社で20年間以上、海外スマホの使い方をサポート
- 自身も旅行が大好きで、年2回は海外へ出かける
- eSIMの便利さを、初心者にも分かるよう情報発信
海外旅行におけるスマホ紛失の
リスクと対策

海外でスマホをなくしたらどうする?
海外でスマホを紛失すると、連絡手段や地図、決済手段を失い、現地での行動が大きく制限されます。
まずは落ち着いて周辺の施設や警察に連絡し、スマホを探すことが重要です。
スマホ盗難が多い地域とは?
スマホの盗難が多いのは、観光客が集中するヨーロッパの都市圏(バルセロナ、パリ、ローマなど)や、大都市圏の混雑した場所です。
観光客の多い人混みや公共交通機関は特に注意が必要です。
観光バスで窓側に座ってスマホを操作していたら、窃盗犯がジャンプしてスマホをひったくるなんて例もあるので注意が必要です。
紛失時の緊急連絡先と手続き
紛失したら現地の警察に届け出を行い、携帯電話会社へ利用停止の連絡をします。
また、旅行保険会社にも連絡し、補償の手続きを開始しましょう。
海外でのスマホ盗難・紛失・悪用を
防ぐための準備

SIMカードとeSIMの賢い選び方
eSIMは盗難・紛失時にスマホから抜き取ることができないので、回線を悪用されるリスクは低くなっています。
しかし、たとえeSIMを使っていても、スマホ自体にロックをかけていなければ意味がありません。
スマホにロックをかけておくことは必須です。
一方、物理SIMカードはスマホからかんたんに抜くことができるため、盗難・紛失時に他のSIMフリー端末に挿入して回線が悪用される危険があります。
あなたが利用しているスマホがeSIMにも対応しているなら、手数料は必要ですがSIMカードをeSIMに変更もできるはずです。
ログくん自分の電話番号が特殊詐欺に使われたら困るなぁ
eSIMに変更せずSIMカードのまま利用するのであれば、ぜひ利用してほしいセキュリティがあります。
SIMカードを抜かれて悪用されることを防ぐ対策として、iPhoneにもAndroidスマホにも「SIM PIN」によるロック機能があるのです。
「SIM PIN」ロックはどこの通信キャリアでも、デフォルト(契約時)はOFFになっています。
SIM PINロックをONに変えておくと、スマホの電源投入時や再起動時にPINの入力を求められるようになります。
例えば、あなたがSIMカードにSIM PINロックをONにしていたとします。
この場合、盗難に合いSIMカードを抜かれてSIMフリー端末に入れられても、起動時に正しいSIM PINを入力しなければSIMを利用できません。
【iPhone / Android共通】


PINを入力してロック解除しないと、モバイルデータ通信や音声通話は、利用することができないということです。
SIM PINロックをONにする
| 通信キャリア | SIM PIN1 初期値 |
|---|---|
| docomo・ahamo (MVNO含む) | 0000 |
| au・UQモバイル (MVNO含む) | 1234 |
| ソフトバンク (MVNO含む) | 9999 |
| 楽天モバイル | 0000 |
どの通信キャリアのSIMカードも、初期状態ではSIM PINがオフになっていますが、PINの数値は設定されており、通信キャリアによって初期値が決まっています。
iPhone(iPad)でSIM PINロックをONにする ※ ここを押すと開きます





SIM PINを決めたら絶対に忘れないでね!
AndroidスマホでSIM PINロックをONにする ※ ここを押すと開きます







SIM PINを決めたら絶対に忘れないでね!
ただし、せっかくSIM PINをオンにしても数値をキャリアの初期値にしていると、容易に推察されてしまい意味がありません。
必ずあなたが決めた任意の数値に変更しておきましょう。



SIM PINを3回間違うと、PUKコードの入力を求めてくるよ
PUKコードは通信キャリアに問い合わせすると教えてくれるよ
紐(ストラップ)を付け首から下げる


置き忘れ防止のためにはストラップが有効です。
防止策としての古いスマホの活用法
大事なメイン端末の代わりに古いスマホを持参し、SIMを差し替えて必要最低限の連絡用として使う方法もあります。
メインのスマホは自宅に残しておいたり、宿泊先のセキュリティボックスに保管するなどしてリスクを減らしましょう。
関係者と連携した管理方法
家族や友人に旅程とスマホ情報を共有しておけば、緊急時にサポートを受けやすくなります。
また、クラウドサービスで共有データのバックアップを取りましょう。
また、紛失したときのために端末の識別番号である「IMEI」を控えておきましょう。
IMEIの確認方法
| iPhone | 設定 >一般 >情報 >IMEI |
| Androidスマホ | 設定 >端末情報 またはデバイス情報 >IMEI |


海外旅行中にスマホを紛失した場合の対処法


利用するアプリとその機能
Appleの「探す」やGoogleの「Find My Device」で位置追跡やリモートロック、データ消去が可能です。
また、AirTagなどのスマートタグをトランク内に入れて置くことで、トランクごと盗まれスマホの電池切れ時も位置情報を追跡できます。
Air Tag(エアタグ)とは? ※ ここを押すと開きます
Apple社が販売している「AirTag」は紛失防止タグとしてAppleが開発したものです。
AirTagの主な特徴
- iOSの「探す」アプリで追跡や場所特定が可能
- BluetoothとUWB(超広帯域)で高精度な位置検索をサポート
- IP67等級の防水・防塵性能(水深1mで最大30分耐えられる)
- 約1年間持続するボタン型電池(CR2032)を使用し自分で交換可能
- シンプルな円形デザインで、イニシャルや絵文字の刻印もできる


AirTagの大きさ
直径:約31.9mm / 厚さ:約8.0mm / 重量:約11g
500円玉より一回り大きいサイズで、キーケースや財布にも収まる手のひらサイズです。
通信キャリアへ連絡して回線を止める
| 海外渡航先から通信キャリアへ連絡する(渡航先の電話から発信する場合) | |
|---|---|
| docomo | +81-3-6832-6600 |
| au | +81-3-6670-6944 |
| ソフトバンク | +81-92-687-0025 |
| 楽天モバイル | +81-50-5434-4633 |
SIMカードを利用しておりSIM PINをONにしていない場合は、回線が悪用されるのを防ぐため、通信会社に連絡して回線を緊急停止してもらいましょう。
なお、回線を停止したあとは、紛失スマホで電話の発着信や、データ通信ができなくなります。
この場合、違う電話機から紛失スマホに電話をかけても、紛失スマホから音は鳴りません。
また、Appleの「探す」やGoogleの「Find My Device」で位置追跡やリモートロック、データ消去などもできなくなります。
SIM PINがONになっていれば回線停止はしなくても、悪用される可能性は低いため事前に行っておくことを強く推奨します。
SIM PINロックがONであれば回線停止せずにすむため、位置情報を取得することができるかもしれません。
現地の警察への通報手順
最寄りの警察署に行き、身分証・スマホのIMEI番号などを持参して届け出を行います。
警察から発行される届け出証明書は保険請求時に必要です。
旅行保険を利用した補償方法
旅行保険にスマホ補償が含まれるか事前に確認しておき、紛失後は警察署の届け出証明など必要書類をそろえて補償申請を行いましょう。
なお、iPhoneを利用の方でAppleCare+に加入していても、盗難には利用できません。
盗難時に補償を受けるには別途モバイル保険 に入る必要があります。
スマホを使った位置情報の活用


失くしたスマホを探すアプリ
iPhoneでは「探す」アプリ、Android端末では「Find My Device」を利用することで、紛失したスマホの現在地をGPSで表示し、音を鳴らすこともできます。
自身のAppleアカウント(旧:Apple ID)またはGoogleアカウントとパスワードを控えておき、設定を事前にオンにしておくことが重要です。
Wi-Fi利用時の注意点
公共の無料Wi-Fiはセキュリティリスクが高いので、VPNアプリを使うか、重要な操作は避けましょう。
スマホのロック機能活用法
画面ロック(PIN、パスコード、生体認証)を必ず設定し、リモートロック機能も活用して不正アクセスを防ぎます。
海外旅行保険の重要性
旅行前に確認すべき保険内容
スマホ紛失や盗難時の補償が含まれているか、スリや置き忘れもカバーされているか確認しましょう。
保険会社への連絡手順
紛失後は速やかに保険会社に連絡し、警察届け出証明書や購入証明を提出して手続きを進めます。
実際の事例から学ぶトラブル対策
多くの旅行者がアプリや保険を活用して紛失後にスマホを回収、あるいは補償を受けている事例が報告されています。
スマホ紛失の具体的な事例と対策


紛失後の見つかった確率
追跡設定を利用している場合は見つかる確率が高まりますが、それ以外は低いケースも多いのが現状です。
どのくらいの時間がかかるのか?
追跡利用だと即時発見もありますが、警察の捜査や遺失物取り扱いでは数日から数週間かかることが一般的です。
実際の利用者の体験談
旅行ブログなどでは、紛失直後に追跡アプリで無事発見されたケースや、保険で補償を得られた体験談が多数紹介されています。
以上の内容で、海外旅行中のスマホ紛失や盗難に備えるための準備と対策を詳細にまとめました。安全で快適な海外旅行の一助になれば幸いです。












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